ゴルフのペナルティルールは、違反やボールの状況によって「1打罰」「一般の罰」「失格」に分かれます。特にプレー中によく使うのは、OB・ロストボール・ペナルティーエリア・アンプレヤブルによる1打罰です。違反の内容によっては、打数ではなくホールの負けや失格になる場合もあります。
ゴルフのペナルティは主に3種類
| 種類 | ストロークプレー | マッチプレー | 主な例 |
|---|---|---|---|
| 1打罰 | スコアに1打を加える | 通常はホールの結果に1打分の不利益が生じる | OB、ロストボール、ペナルティーエリア、アンプレヤブル |
| 一般の罰 | 2打罰 | そのホールの負け | 誤った場所からのプレー、重大なルール違反など |
| 失格 | 競技から失格 | 競技から失格となる場合がある | スコアカードの重大な不備、改善されない重大な違反など |
なお、具体的な罰はルール違反の内容や競技形式によって変わります。以下では、一般的なラウンドで遭遇しやすいケースを説明します。
OBになったときは1打罰で元の場所から打ち直す
ボールがOB区域に入った場合は、通常1打罰を加え、元の場所に戻って打ち直します。この処置を「ストロークと距離の罰」といいます。
たとえば、ティーショットがOBになった場合は、1打罰を加えて3打目としてティーイングエリアから打ちます。2打目がOBなら、1打罰を加えて同じ場所から4打目を打ちます。
OBかどうかは、ボール全体がコースの境界の外にあるかで判断します。白杭や白線が境界を示している場合、一般には白杭のコース側の最も近い地点や、白線の内側を基準にします。
前進4打がある場合
コースがローカルルールで「前進4打」などを定めている場合は、元の場所へ戻らず、指定された場所からプレーできることがあります。ただし、これはすべてのコースに共通するルールではなく、そのコースのローカルルールに基づく処置です。
前進4打を使う場合の打数は、コースが定めた内容に従います。ティーショットがOBになったときに、必ず4打目になるとは限りません。
ロストボールは1打罰で元の場所から打ち直す
ボールを探しても見つからず、規則で定められた3分以内に確認できなかった場合、ボールはロストボールになります。通常は1打罰を加え、元の場所から打ち直します。
たとえば、2打目が見つからなかった場合は、1打罰を加えて4打目として、2打目を打った場所からプレーします。
ボールが見つかっても、自分のボールだと確認できなければ、そのボールを自分のインプレーのボールとして使うことはできません。ボールの識別番号や印などを、プレー前に確認しておくと誤認を防げます。
ペナルティーエリアは1打罰で救済を受けられる
ペナルティーエリアに入ったボールは、そのまま打つこともできます。打つのが難しい場合は、通常1打罰を加えて救済を受けます。
ペナルティーエリアには、黄色の杭や線で示されるものと、赤色の杭や線で示されるものがあります。救済方法が異なるため、色の確認が必要です。
黄色のペナルティーエリア
黄色のペナルティーエリアでは、主に次の方法から選びます。
- 元の場所に戻って打ち直す
- ボールが最後にペナルティーエリアの境界を横切った地点と、ホールから同じ距離の場所を結ぶ後方線上で救済を受ける
後方線上の救済では、ボールが境界を最後に横切った地点とホールを結ぶ線を基準にし、その線の後方に救済エリアを決めます。
赤色のペナルティーエリア
赤色のペナルティーエリアでは、黄色の場合の方法に加えて、次の横方向の救済を選べます。
- ボールが最後に境界を横切った地点から、ホールに近づかない2クラブレングス以内の範囲にドロップする
ただし、救済を受ける地点やドロップできる範囲は、ボールが最後に境界を横切った地点を基準に判断します。ボールが入った場所を自由に選べるわけではありません。
アンプレヤブルは1打罰で3つの方法から選ぶ
ボールが木の根元や深い茂みなどにあり、そのまま打つのが難しい場合、ボールの持ち主であるプレーヤーは、ペナルティーエリア以外でアンプレヤブルを宣言できます。アンプレヤブルは通常1打罰です。
救済方法は次の3つです。
- 元の場所に戻って打ち直す
- ボールの位置とホールを結ぶ線上の後方にドロップする
- ボールの位置から2クラブレングス以内で、ホールに近づかない場所にドロップする
2つ目の後方線上の救済では、ボールとホールを結ぶ線の後方であれば、距離に制限はありません。3つ目の横方向の救済では、2クラブレングス以内という制限があります。
アンプレヤブルはプレーヤーが判断します。ただし、ボールがペナルティーエリア内にある場合は、通常のアンプレヤブルの選択肢ではなく、ペナルティーエリアの救済ルールを使います。
誤ったボールや誤った場所からのプレーは別の罰になる
誤ったボールを打った場合
自分のボールではない「誤球」を打った場合、ストロークプレーでは一般の罰として2打罰を受け、誤球で行ったストロークをなかったものとして、正しいボールを元の場所からプレーし直します。
誤球を訂正しないまま次のホールのティーショットを打つと、失格になることがあります。最終ホールであれば、スコアを提出する前に訂正が必要です。
誤った場所から打った場合
救済エリアの外や、ボールを戻すべき場所と異なる場所からプレーすると、状況によって一般の罰が科されます。さらに、誤った場所からのプレーが重大な違反に当たる場合は、正しい場所から打ち直さなければなりません。
救済を受けるときは、ドロップする場所だけでなく、ボールが止まった位置が救済エリア内かも確認してください。
クラブの本数や使い方にもペナルティがある
1ラウンドで持ち込めるクラブは最大14本です。15本以上のクラブを持ってスタートした場合は、超過したクラブを使わない状態にし、競技形式に応じた罰を受けます。
ストロークプレーでは、違反した各ホールに一般の罰が科されますが、1ラウンド全体では最大4打罰です。マッチプレーでは、違反した各ホールにつき、そのホールの結果に影響する罰が科されますが、最大2ホールまでです。
使用しないクラブは、ラウンド中に使えない状態にしなければなりません。キャディーや同伴者のクラブを借りて使えるかどうかも、競技形式やルール上の条件によって異なります。
ペナルティがつかないこともある主なケース
すべてのミスにペナルティがつくわけではありません。次のように、条件を満たせば無罰となる代表例があります。
- ドロップしたボールが救済エリアの外に出たため、規則に従って再ドロップする
- 捜索中に偶然ボールを動かしてしまい、規則に従って元の位置に戻す
- パッティンググリーン上で、偶然ボールを動かしてしまい、元の位置に戻す
- ストローク中にクラブが偶然ボールに2回当たる
- 風や水など、自然の力でボールが動く
ただし、プレーヤーが故意に動かした場合や、規則で定められた処置をしなかった場合は、罰がつくことがあります。似た状況でも、誰が動かしたか、どこで動いたかによって判断が変わります。
ペナルティの打数を数える方法
ペナルティは、実際に打ったストロークとは別に加えます。たとえば、ティーショットがOBになった場合、1打目を打ったうえで1打罰を加え、打ち直しが3打目です。
数え方に迷ったときは、次の順番で整理すると間違いにくくなります。
- 最後に正しく打った場所と、ボールの状態を確認する
- OB、ロストボール、ペナルティーエリア、アンプレヤブルのどれに当たるか判断する
- 選んだ救済方法の罰打を加える
- 次に打つストロークの打数を決める
判断に自信がない場合は、競技中なら競技委員に確認します。通常のラウンドでは、同伴者と状況を確認したうえで、後からルールを確認する方法もあります。競技では、自己判断で処理を続けると訂正できないことがあるため、プレーを止めずに確認できる方法が定められている場合は、その手続きを使ってください。
ゴルフのペナルティルールを判断するときの要点
ゴルフのペナルティルールは、まず1打罰、一般の罰、失格のどれかを区別します。OBやロストボールは通常1打罰で元の場所から打ち直し、ペナルティーエリアやアンプレヤブルは1打罰で定められた救済を受けます。
迷ったときは、ボールが最後にあった場所、境界を横切った地点、競技形式、ローカルルールの4点を確認してください。特に「前進4打」はコース独自のローカルルールであるため、白杭や赤杭の処置と同じものとして扱わないことが大切です。







